2011年01月27日

洗濯ばさみ・文字カード・じゅず玉 自立課題学習教材



過去の記事218(通常校からの交流  課題学習)

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校小学部3年目の3学期の話です。

 2月5日

通常校からの交流  課題学習

 今日はとんでもない日でした。
 徒歩訓練の予定で先生はみんな近くの駅に集合し、スクールバスも1台はやって来たのですが、昨日の雪で他のバスが大幅に遅れてしまい、急遽中止となり、学校で過ごすことになりました。

 学校に戻っても、一部の子供しかいません。体調がもうひとつの子もいるし、今日は外に出ないで課題学習をすることにしました。

 本当は徒歩訓練に通常校から参加する予定だったZさんも、急遽、私の学年に参加することになりました。(なお、私は学年の子供たちのことを書く許可を保護者の方から頂いています。Zさんについても今日、許可を頂きました)

 遅れた子供たちが登校して来て、みんなが朝の会をやっている間に私はみんなの課題の準備をしました。
 Zさんはずいぶん前に一度交流に来られただけで、どんな課題を用意したらいいのかわからなかったのですが、前回のことを思いだしながら、

「色の点に同色のシールを貼る」
「せんたくばさみで、台紙の同色の線のところをはさむ」

という課題を用意しました。(あり・・・実は以前、Zさんは「色はわからないようだ」という担任からの報告を受けていたのに、色の課題ばかり入れてる(笑))


 準備ができてZさんに机カードを示しました。これは1月以上前に一度だけやったことです。しかし、Zさん、見事に覚えていてくれました。すっと立ち上がるとカードを持って課題学習の部屋に向かって行きます。なんだかびっくりしました。

 カードはちゃんとポケットに入れてくれたかな?覚えていない。指示したかもしれません。

 ワークシステムは作業を呈示するカードは前回は上から下へ、にしたのですが、少しむつかしかったようなので、今回はめくり方式にしてみました。でもカードをつけてるL字金具が悪いのか、ちょっとめくりにくそうでした。

 色の点にシールを貼るのは前回、色をてんでばらばらにしてたら、少し混乱してたので、同じ色の点を2列ずつ並べてわかりやすくしました。

 カゴを取らせると、前回も同じようなことをやったのを思いだしたのか、シールをまず手にとります。で私が少し介助して紙を取らせると自分でシールをはがして、違う色にはろうとします。そこで私は後ろから軽く腕を取って同じ色の点の上に貼らせました。

 すると後は、どんどん自分でやっていきます。ちょっと点からずれる時があったのでそれは直させました。で・・色が変わるところできちんと色を変えてくれました(指示、介助無し)

 洗濯ばさみの方は、最初、洗濯ばさみをどう握ったらいいかわかりませんでした。で、一緒に持ってやっているうちにだんだん自分ひとりでできるようになってきました。

洗濯ばさみ留め.jpg


 二つ課題が終わると休憩。休憩は「お絵かきせんせい」や「雑誌」を楽しんで見てたりしました。ほとんど完成させた状態から、ほんの少しだけピースをぬいたパズルも置いておいたのですが、確か自分からやり始めて、できちゃいました。(パズルは好き、という情報は入っていました)

 後で、急遽、課題にパズルも入れてやってみたりしました。

 お母さんが見ておられて「こんなに集中して、混乱せずにやるなんてびっくりです」とおっしゃってました。

 Zさん、前回来た時は給食がカレーでした。で、お母さんに「カレー行く?」とすごく楽しみそうに言っていたそうです。

 お母さんは「カレーが気に入った」と思っておられるようですが、ひょっとしたら「(カレーも含めて)落ちついて居ることのできる(やることがわかる)ここが気に入った」ということではないかなあ、と思ったりしています。

追記
 もちろんZさん一人に対応していたのではなく、他の児童にも同時に対応しながらやってました。

 Zさんは特別支援学級で混乱がひどくなり転校を考えておられました。
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 今日は課題学習がありました。

 「色はわからない」と言われていたZさんが、課題学習の中でブロックやせんたくばさみの色分類がすぐにできるようになり、ホワイトボードに貼った外枠と中の写真を色を手がかりにマッチングさせることも、2か月かかりましたができるようになったことは既に報告しました。

 Zさんは「文字はわかりません」と言われていました。確かに課題カゴに書いた文字とカードに書いた文字をマッチングさせることは今までできていませんでした。

 さて今日、先生と1対1の新課題の学習の時に文字の分類をやってみました。

 7cm四方で区切られた6区画のプラスチックがあります。もともと月餅かなんかが入っていたやつ。そこに「あ」「い」「う」「え」「お」と書いた紙が貼ってあります。(本当はある子の名前)そこに「あ」「い」「う」「え」「お」と書いた小さなカードを入れていきます。各区画に5枚ずつくらい用意してありました。

 最初、1枚ずつ手渡していきました。しかしどこに入れていいかわかりません。私が指さしで指示していきました。目もきょろきょろ、手もあっちこっちでどうやっていいか全然わからない、という感じでした。

 実のところ、「あーあ、いきなりこれではステップ飛びすぎたかなあ」と思い、反省モードに入っていました。ところが最後から5枚目くらいで指示なしで急に合いはじめました。(毎回指示は出していたけど、少しだけ間を置いていたわけです。そしたら指示なしででき始めた)

写真文字合わせ.jpg
※この写真はあくまでもイメージです。この時やったのは、もっと手前の「一文字ずつ」の課題です。

 とりあえず、最後まで行って、休憩に入りました。
 
 普段は「先生と勉強」は1回しかしないことが多いのですが、今日はもう一度しばらく後にやってみました。

 1枚目から正解していきます。そして、途中から私がカードをあげるより早く奪い取りに来るような感じになりました。で残ったカードを全部渡しました。すると1枚1枚ちゃんと入れて行きました。

 終わって再び休憩に入る時に、Zさんが少し得意げな表情だった、と思えたのは私の思いすごしかな?

 放課後、Zさんの名前で分類の勉強ができる教材を作り、またみんなの名前カードも新たに作ってみました。
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出張自立課題学習

 今、いろんな子どもたちを知りたいのと、どうやって自立課題学習をするのか、を他の先生に見て頂きたいという思いもあって「出張自立課題学習」をしています。まあなかなか時間は取れないんですけど・・・

 ダンボール箱に教材やカゴ、カードやカード受け、様々な素材を入れて行き、他の教室へ行って、その場にある机や場所を使って勉強する場所を作ってしまいます。必要なカードなんかもその場で作ります。

 うわあ、すごいやん、なんて思わせてくれることも多いです。

 今日対応した生徒。

 ラジカセが大好きでラジカセの前を動こうとしません。
 机カードを渡して勉強するところへ誘導しようとしても「ウー」とうなり、寄せ付けません。

 まず勉強する場を離れた所に設定していたのですが、ラジカセの横に設定し直しました。こうすると何をやるかは見えます。で「この勉強をしょうよ」と誘います。まだ「ウー」

 でも一緒に曲を聴いていると私を見てニコッとしたりもします。

 でも誘うとウー・・・

 担任の先生が「勉強したらテープ」と言ってラジカセからテープを出そうとするしぐさ。でも出させません。しかし、それが私にヒントになりました。

 さっとテープを取り、机カード(勉強しようよカード)受けの下に置きます。
 で「お勉強したらテープだよ」
 で立とうとしない本人をイスごと横の勉強机の前へ。(っても60cmくらいですが・・・無茶苦茶嫌われてしまったらどうしようか、とかなり悩んだすえですが・・・)

 机カード(勉強しようよカード)を渡すと「受け」に注目しています。そっと腕を「受け」の方向に押しました。すると彼はカードを「受け」に入れます。

 そしてカゴに入った教材を見ます。厚紙に色マジックで引いた線と同じ色の洗濯ばさみをつける課題。単色だけ。ひとつ手を取って教えると後は全部自分でできました。

 できたらおしまい箱(右横に置いた段ボール箱)に入れることを手を軽く取って教えます。
 
 次のカゴにはペットボトルとじゅず玉が4個。すぐに理解してペットボトルにじゅず玉を入れ、ふたをします。
ペットボトルじゅず玉入れ.jpg
 で、できたら自分でカゴをおしまい箱にしまってくれます。

「すごーーい、やったねえ!」とほめると彼はテープをぱっと取ってラジカセのところへ。とにかく良く頑張ったねえ、とほめまくりました。

 しばらくして(10分くらいかなあ)からもう一度やってみました。すると今度はカードを見せたらすぐに取って机のところへ。(テープを取る時に抵抗したかなあ・・・忘れた)で、さっさと課題をやってしまい
ます。

 で全て終わってまた満足そうにテープを聴きました。

 今日、その後で廊下でその生徒とすれ違いました。するとその生徒は私を見てニコッと笑い「よう」というように声を出し、手を挙げてくれました。

 自分でもどきどきもんでしたし、○○さんあたりからは「なんてことを」と言われそうでもありますが、なんかうまいほうにころんでほっとしています。

 ひとつの仮説。
 今まで、そんなふうに達成感のある勉強、あまりしたことが無かったんじゃないかなあ。そしてだから「終了」の概念がわかりにくいのじゃないかなあ。

追記
 やっぱり「物理的」に動かしてる部分がありますね・・・非常にびびりながらですけど。

 この生徒の場合、上記とは別の織物の時間に担当になりました。織物を教えることはすぐにあきらめました。それで織物の時間に織物の部屋で自立課題学習をすることにしました。

 保護者に許可を取るためと特別支援学級時代の学習内容を聞くために電話をしてみました。やはり学習内容は「わからない」とのことでした。そんなん多いです。

 私が関わるのは織物の時間(自立課題学習)のみでしたが、不思議なことに朝、登校してきたら、彼は学校の中で私だけに毎朝、にこっと笑い「お」と声を出し、手を挙げる、という挨拶をしました。担任も不思議がっていました。

 学年末にはお母さんに自立課題をやっているところを撮影したビデオを差し上げました。「平等じゃ無いじゃないか」と批判・禁止されそうな行為ですが、やっちゃいました。まあ他の生徒は自分で織ったり、教師が手伝って織った布を貰えるけど、彼には無かったから、という理屈は成り立つか。
posted by kingstone at 09:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 自閉症・発達障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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