2011年01月11日

クリップボード いろいろな記録や報告のために




支援者が障害のある人の手を持ってするコミュニケーション2

 自閉症の人の場合。

 私が知的障害特別支援学校にいた時。

プール外伝」の後半に出てくる生徒です。まだ小学部の時代。

 担任は「威嚇することと無表情で伝えることと2」に出てくるベテランの先生。この生徒について、私は「自閉症やろか?」と尋ねた時、「うーん、わからん」とおっしゃっていましたが、後年、自閉症について勉強してから考えると、どこから見ても自閉症の生徒でした。

 彼は「欠席調べ係」をしていました。
 朝の会をやっている時にクリップボードに紙を挟んだものと鉛筆を持って各教室を回って来ます。担任からは「字を書く時は手首を持ってあげて」と言われていました。何じゃいな、と思ったら、一人では字が書けないけど、手首を持ってもらったら書ける、と言います。担任は別に○○療法とかを知っている、というわけではなく、単に経験として知っていたのです。

 で、私のクラスに来た時、たまたま欠席者がいたので、それを彼に伝えました。彼は自分ではそれを書けなかったけど、私が手首を持ってあげると名前の漢字が書けました。

 私が名前を知っていたから無意識に彼の手を動かした?
 どうにもこうにもそんな感じではなかったです。

 彼はどこかで自分で字を覚えていました。家庭は彼の奇妙と思われる行動にアップアップして教育しようなんて余裕はありませんでした。当時の学校では字を覚えたり、字を読んだり、という授業はありませんでした。また学校では彼の気持ちを聞いたり、表現を出してもらおう、という機会はありませんでした。そんなことしなくても学校生活は進んで行くのですから。

 一度、小学部時代。夏休みのプールの時間でした。彼がやって来たので、私は担任ではなかったのですが、着替えの場所についていきました。細かいことは覚えていないのですが、私は彼に質問しました。何かを書いて聞いたのだっけ?とにかく彼は何らかの方法(音声言語以外)で答えてくれました。(この時は、彼が字を書いたわけではない)

 私はびっくりして職員室にいたある先生に報告したのですが「それがどうした」という感じでした。子どもから表現することがそんなに大事とは思われていなかったようです。

 彼は方法を考えてあげれば自分で表現できた生徒です。

「プール外伝」の時も、ホワイトボードに書いた「電車」「バス」の文字をわかって選択しています。
 
 たぶん彼は簡単に外部に表現してくれただろうし、パソコン入力など、方法を考えてあげれば相当複雑な表現もできるようになっただろうと思われます。別に手首を持つ必要も無かったでしょう。

 結論としてはやはり肢体不自由の人と同じようなことになります。

 手首を持ったら書ける、ということもあるだろう。しかしそんなことをしなくても、いくらでも表現する方法はあるし、ひとりで表現できる方法を考えよう、です。

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過去の記事254(ナレッジ・マネジメントの例1)

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校小学部3年目の3学期の話です。

 3月30日

ナレッジ・マネジメントの例

○○さん、こんにちは。

 そうですね、私もナレッジ・マネジメントについて読みながら△△さんの文を思い浮かべていました。

 ただ、私の職場では電子化はめちゃ難しいです。そこで紙に頼る必要があります。

 今年度(あと二日)は複数の担任でそれぞれ別の日に授業をし、クリップボードに挟んだ「記録用紙」に記録していきました。これも「最近はA君はこんなことをしているな。じゃあ今日はちょっと違ってあんなことをしよう」とかいう時には多いに役に立ちました。

 他の部分については・・・・まだまだだなあ。

 おっと、そんなこと言っていられない。
 それこそ新年度の知識の共有化について具体的に考えないと。

 >想像してください、学校内外の主観情報、先生方の書かれ蓄積された文章や、知
 >識、ノウハウ、外部の専門家の知識、ノウハウが、この会議室を利用するように、
 >しかも自然言語で、特別の検索技術なしに、必要時に利用できたらと。やり方、形
 >とかは、無数にあるとは思うんですが。

 私はある言葉に関連して調べたいと思ったら秀丸エディタについてるGREPを使いますが、複雑な指定はようしませんから、検索されてきた文がおびただしい量になったりすることもありますね・・・。

 最近、メールにOutlookExpressを使うようになってきたし、○○さんおすすめのインターネットブーメランが必要かな。

追記
 インターネットブーメランは当時、様々な形式のデータを検索してくれるソフトでした。最初に元データからキーワードを抽出しておく必要がありました。もう今は外しています。WindowsXPについてる検索機能は使いものになりませんね。今なら何になるのだろう?

もうひとつ追記
 今なら、Googleなどの検索機能がそういう働きをしていると考えていいですよね。

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卒業式の練習1

 いよいよ卒業式の練習が始まりました。
 (学年、まるわかりやなあ(笑))

 今日は教室で座席から証書を貰い、それを受け取る人に渡し、席に帰るという練習。

 そのために1週間ほど前からこんな練習をしていました。

 C君
 クリップボードに校長先生の写真と私の写真を上下に貼っておきます。クリップボードには紙もはさんであり、その紙にはチェックボックスと「受け取ったらチェックをして、ねぎらいの言葉をかけてC君に返して下さい」と書いてあります。ペンも一緒につけています。

 で校長室の外でC君にこれを渡し、校長先生にチェックを入れて貰って私にこのクリップボードを返します。初日は他の先生についていってもらってどうやるかをC君にわからせてもらいました。(私が教えるよりいいだろうと思って)

 2日目はクリップボードを渡したところですぐ帰ろうとするし、校長先生の前で「きをつけ」をしない・・・

 そこであらかじめ校長先生の机の前に足形を書いた紙を置いておきました。うーーん、しかし3日目も指さしの指示は必要だったなあ・・・

 F君
 F君にはどうしたらいいだろう、と悩んでいました。
 でもできるだけ介助者に手をとってはもらいたくない・・・

 教室で各担任の写真を渡し、それをその先生に渡すようにできないか、とやってみました。そしたら学年の担任だと、まあ少し誘ったところもあるけど、ちゃんと持って行きました!!

 ごめん、F君、君の力を見誤っていた。

 で、朝、登校時、校長先生が出ておられる時もあるので、校長先生の写真を渡し持って行くようにさせてみました。うーーん、やはり学年の担任よりはなんか茫漠としている・・・

 で、今日の練習です。

 C君。
 クリップボードに証書を渡す役の教師、受け取る役の教師の写真をチェキ(インスタントカメラ)で撮って用意しました。戻って座るイスのマーク(個人シンボル)のカードが最後に来ます。

 それぞれの机の前に足形を用意しました。

 足形の上に足を置くのは指さしが必要でした。
 それぞれの担任の場所に行くのはばっちりでした。
 イスに戻るのはマーク(シンボル)カードを使うのが初めてだから指示が必要でした。でもシンボル自身はいつも使っているから次から大丈夫じゃないかな。

 F君
 まず座っているところから証書渡しの担任の写真を渡します。
 その担任のところへひとりで行きました。
 証書渡しの担任が証書受け取りの担任の写真を渡します。
 受け取りの担任のところへひとりで行きました。
 やはりイスのマーク(シンボル)はちょっとどう動いていいかわからなかったようですが、イスのところまで誘導するとイスについているシンボルマークとカードを合わそうとしました。

 なんかめちゃくちゃ感動しました。

 よーし、もっと校長先生がしっかりわかるようにしよう。

 今日、懇談会がありました。
 そこでC君、F君の保護者に「こんな方法でやってもいいですか」「待ってる時にいろんな物を持っていてもいいですか」と許可も得ておきました。

posted by kingstone at 14:39| Comment(0) | 自閉症・発達障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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