2011年01月11日

50音表 表現コミュニケーションの支援

 おめめどうの「あいうえおメモ帳」

あいうえおメモ帳.png

 315円。100枚綴り。

 50音表って、日本語教育の基本で、どこにでも転がっているような気がしますけど、意外に「転がって」はないもんです。小学校1年生の教室や特別支援学級の壁に貼ってあったとしても。で、手元にあると表現コミュニケーションの助けになるお子さんは確実にいはるはずです。

 このメモ帳は紙のペラペラだから「耐久性が・・・」と言う方は、それこそパウチラミネートすればいいだろうし。

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支援者が障害のある人の手を持ってするコミュニケーション1

 支援者が障害のある人の手を持ってするコミュニケーションの方法があります。

 肢体不自由の方の場合、よくありそう。

 私が肢体不自由特別支援学校にいた時。

 重度の脳性マヒで、支援者に押してもらうタイプの車イスにつねに乗っている生徒。私が出会った時は高3でした。

 私はAAC(拡大代替コミュニケーション、要するに何でも使ってコミュニケーションしようという考え方)を少しは勉強し始めていた頃。まだまだ実践はできず、学校に情報処理係も作ってなかった頃。

 給食の時間にたまたまその生徒の教室に入りました。

 そしたら彼はMSXパソコンに音声スイッチをつけたもので、「アッ!」と声を出すことで、50音文字盤の自動スキャンソフトで文字を選び、文を書いていました。

 ぶっ飛びました。こんな実践がすでに校内でされている!!

 聞いてみると、担任が自作(!!)のソフトで、思いつきで、給食後のみに試しているとのこと。失敗が多く、まだまだまともな文は書けないこと。完全に個人的取り組みで、他の授業時間には取り組まれず、学
校の中でも同じクラスの担任しかその取り組みを知りませんでした。

 その生徒が小学部時代から組織的に取り組んで、随意的に動かせる部分を探し、フィッティング(うまくソフトやスイッチを合わせていくこと)していたら、十分使いこなせるようになっていたと思います。

 家では保護者が、彼の手に鉛筆を持たせ、その手を保護者が握って動かすことで日記を書いていました。そして卒業時に文集を私たちに配って下さいました。

 しかし教師は「あれは保護者の思いによるもので、本人の書いたものでは無い」という評価が主流でした。その理由としてあげられたのが、ショーペンハウエルについて書いている、ということ。肢体不自由特別支援学校の生徒が、そんなもの書くわけがない、というわけです。

 でもその文というのは

「みなさん、ショーペンハウエルを知っていますか。ショーペンハウエルはえらい人です」

みたいな、そう、小学校中学年の生徒が偉人伝を読んで書くような内容で(高学年だともう少し複雑になる)、私は「これは本物だ」と直感したのですが(それも失礼な話ですが・・・)肢体不自由特別支援学校にずっといる生徒だと必然的に経験の量が少なくなるので。

 本物か偽物かは、本人が一人で入力できるシステムを組んであげれば、もう全然論争にもならないところです。当時の地方の学校ということで、しかたのない点もありますが、当時の日本でもシステムをフィッティングできる人はいました。真贋を言う前に、そういう実践ができていなかったことを恥じるべきだ、と思いました。

 余談ですが、私は大学時代、ショーペンハウエルの「哲学入門」の中の「哲学とは直感なのだ」という言葉を書いた体操服でトレーニングをしていました。

 支援者が障害のある人の手を持ってするコミュニケーションの方法については平本歩さんの場合、小学校の頃は文字盤を指し示す方法でやってましたね。NHKの放送を見る限り、別に特定の人とでないとできない、というわけではなさそうでした。

 そして後年(たぶん自力の。それとも他人が腕を支えているのだろうか?)パソコン入力に進化させてはります。

1年2組 歩ちゃんと30人の仲間たち 人工呼吸器をつけた少女の記録
平本歩さんのメッセージ

 NHKで放送されたものでは「奇跡の詩人」も話題になりました。

 お母さんが後ろから抱きかかえ、腕を持って文字盤を指し示していきます。
 これも様々な議論を巻き起こしました。

 私は番組を見て「もったいないなあ」と思いました。
 この場合もパソコンでの自力入力が可能になればほとんどの議論は収束します。番組を見る限り、お子さんには随意的に動かせる部分がある、と見えました。

 またお母さん以外では、お母さんの妹さんともできるが、情報量が1/10になってしまう、というのもどこかにありました。お母さんがずっと一生つきっきり、というわけにはいかないよなあ、と思いました。

 結論。

 支援者が障害のある人の手を持ってするコミュニケーションというのはある。でもすみやかに自力でできるコミュニケーションに変えることができる。

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「あいうえおメモ帳」おめめどうの「ダイレクトセールス in 明石 魚の棚」4

 「あいうえおメモ帳」も「何でできたの?」と思うもののひとつでした。

50音.jpg

 見てわかるように50音表です。

 100枚つづりが315円。

 50音表があれば、その字を拾っていって表現できるお子さんはいます。おもちゃの「おしゃべりあいうえお」で、文字を覚え、表現をしだした、というお子さんもいるかとおもいます。

トミカ コロコロあそぼ! トミカおしゃべりあいうえお/タカラトミー


 しかし、これなら50音表を作ってパウチしたものを持っていても良さそう。学校だったら50音表もありそうだし、作ろうと思えばすぐ作れそうだし。とか思ってました。

 ところが、なかなかお子さんの周囲に表現のための50音図が無いことが多いそうです。だから開発した、と。

 なるほど。確かに有効なお子さん、いそう。

 しかし、残念ながら「売れない」そうで、在庫限りだそうです。

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カナータイプの方への50音表ふうの物のフィッテイングについて

 50音表はわかりますよね。

 で、私自身は50音表とか50音表ふうのもので自閉症の人に表現してもらおうとフィッテイングしたことはありません。

 で、大昔に最初にsyunさんから聞いたのは自閉症の人で、音声言語では表現できないのに50音キーボードの電子辞書なら表現できる人がいる、ということ。文字を読む、文字を書く、はどんなもんだったのだろ。どんな人か、詳しいことは知りません。syunさんは守秘義務に厳しいからどんな人か、というのは具体的に教えてくれることはほとんどありませんから。

 しかし、相当重度(?)のカナータイプの方であるのは間違いないでしょう。電子辞書は下のようなイメージかな。もちろん昔のことなので、本当はもっとしょぼい物です。

電子辞書.jpg

 で、次に聞いたのは、別のカナータイプの自閉症の人にトーキングエイドをフィッテイングした話。

 トーキングエイドライト

トーキングエイドライト.jpg

 この方にはお会いしたことがありますが、発語は無く、音声言語の指示は通らず、でもとりあえず文字は少し読めの、書けのはしていたかな。

 もちろん肢体不自由特別支援学校では複数の児童・生徒がトーキングエイドを使って表現するのを見ていました。ごく普通に「転がっている」と言ってもいいくらいある物です。しかし、自閉症のしかもカナータイプの方にフィッテイングしてはるのにびっくりしました。でもこの方は表現できるようになっていきます。

 その時、syunさんが言った注意点は覚えています。

「これは本人からの要求以外には使わんといてなあ」

 つまり、こちらからの指示とかには絶対使わない、ということですね。

 なぜこの人にトーキングエイドか?という点は私などには??なところがあったのですが、syunさんは観察(つまりアセスメント)の上で、こうやからこう、というのがあったのだと思います。

 そこらへん、言語化して下さったらいいのですけど。講演ではしゃべりはるのかなあ?

 それやこれやが、あのね♪の開発につながっていったのでしょう。

あのね♪DS.jpg

 実際問題として、カナータイプで「文字は?」という方があれこれ使ってはる例もあります。

 まあほんま、私自身は「どんな人に」というのが言語化できないのでもどかしいのですが。

 アスペルガー症候群の方で表現のために使ってはる方もいますし。

 といって、もちろん「誰にでも合う」なんて話ではさらさらありません。
 「文字を教えなければ」という話でもありません。
 カナータイプで音声言語の指示も通らず、音声言語の表現も無い人でも内面には文字がある、という話でもありません。そういう人もいるし、そうでない人もいる。

 そういや、syunさんが昔勤めてはった知的障害者更生施設(いろんな意味で重度な人が来る)では、あんまり写真や絵カードは使っているようには見えませんでした。文字カードも。

 自閉症児託児活動「れもん」を手伝って下さる時も、ほとんど視覚支援物は使わなかったです。しかし一度あるお子さんを担当してもらった時、このお子さんには、とひらめいたらしく「チェキであれ撮って、これ撮って」と一気に10枚以上撮らされました。1枚80円くらいかかるのに(泣)(チェキは撮ってすぐに使えるのが強み)

 それで遊びの選択をしてもらっってました。

 何が言いたいか、というとカナータイプの方でもいろいろだし、観察(アセスメント)の上であれこれやっていくんだ、ということですね。

posted by kingstone at 17:05| Comment(0) | 障害支援・社会参加 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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