2011年01月29日

A4用紙 IEP・個別支援計画・個別教育計画・個別の教育支援計画など



 IEP・個別支援計画・個別教育計画・個別の教育支援計画などを「売ってる物」で表そうとするとA4用紙くらいしか頭に浮かばなくて・・・
 「教育計画」とか「指導計画」とか呼ばれるものは特別支援学校では、私の知る範囲では1990年には存在していました。しかし「絶対保護者に見せてはいけない」と言われるような書類でしたが(笑)

 1995年頃に、私なぞはアメリカで自閉症のお子さんを学校に通わせた方からの報告で「IEPというものがある。相談と合意(契約)してやっていくらしい」くらいを知りました。

過去の記事224(笑って元気が出たかな・・)

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校小学部3年目の3学期の話です。

 2月16日

 ○○さん、△△さん、ご心配をおかけします。

 ボードでうんなもん、書くなよお、というところではありますが・・・
 ただね、職場では吹っ切れたとは言っても、すごくいろいろ配慮してしゃべります。本音の部分は生では出せない・・・・

 職場でそこまでの話をただ聞いて下さる方が居れば随分違うのでしょうけどね。でもそれは甘えやね・・・

 いろいろ煮詰まる話はあるのですが・・・でもね

 今日、新人Aさんが地域の研修のどの分科会に行くか担当の方と相談してました。で担当の方に「IEP?ってこれ何ですか?」と尋ねたの。即そばにいた先生に「kingstoneさんの学年でえ!(IEPも知らないのお)」と突っ込まれて周囲の爆笑を誘っていました。

 私も後で笑いながら簡単に説明し、「でも、いいの、いいの。言葉なんか知っていなくたって。理念のところについてはうちの学年がやっているいろんなこと、親御さんとの合意とか、それ、全て背景にあるんだから。言葉知らなくても実際にやってる、みたいなところ多いんだよ」と言っておきました。

 なんか笑って、少し楽になりました。
 こういうふうに楽にさせて頂けるの、ありがたいことです。

 また帰り際には、新人Bさんと「どんな教材を作らないといけないか」みたいな話もいっぱいして、明日研修の後時間があったら作ろう、みたいな話にもなったし。

 そうそう、ベテランさんとも「どんな写真が必要かな」とかいう話もしたしね。

 こんな話をしてると元気が出てきます。
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過去の記事156(今日は懇談会  保護者に提案し相談する)

 (上の記事の2か月前)12月14日

 今日は学年学級懇談会でした。

 朝から私は調子が悪く吐き気がこみあげて来て車の助手席に風呂オケを置いて出勤しました。懇談会だから休むわけに行かない・・・・

 まず○年生全員の保護者の方と担任全員で学年懇談会。
 今学期のお礼とか、今後も意見交換していきたい、というような話をしました。(意見交換のための書式(フォーマット)が無いので言うだけに終わるかな・・)

 そして担任の方から以下の提案をしました。

「午前の学習の時に、自閉症やその対処法でうまくいく子のグループと、もっと体を動かしたり感覚運動をしたりした方がいいと思われる子どものグループとを分けて学習したい。これはより個別の課題にそった授業をしたいからである。ついては保護者の方はどうお考えになるだろうか(場合によっては取り消しもやぶさかではない)」

 担任の間で、この提案をする時、保護者の方が「なんでこの子とこの子が分かれるのだ」という保護者の方のご不満が出てこいなだろうか、という危惧を持っていました。かなり緊張しての提案でした。

 しかし出てきたご意見は「いろいろやってみて頂きたい。場合によっては学部全体もそういうふうに考えてグループ化してみてもいいのでは」というようなご意見でした。

 まあひょっとしたらご不満のある方が言わなかっただけかもしれませんが。

 実は、学校側からこういうような提案を「どうですか」という形で出すのは間違っている、という考え方もあります。「どうですか」じゃなくて「学校はこうするんだ」と言わなければならない、という考え方です。

 でも、私にはその考え方はすごくしんどい。ひょっとして提案が覆されることがあっても「相談と合意」をしながら進んでいけた方がよっぽど楽だと思っています。

 その後、学級に分かれて「個別懇談」をしました。

 給食が終わったら即、帰らせてもらいました。で今まで朝ごはん、昼ごはん抜きでこんこんと眠っていました。ふー、明日は元気に出勤できるかな。

追記
 結構私の体調が悪かったことがわかります。
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個別支援計画(IEP)書式の解説と具体例(大昔のもの)1 解説

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


 IEP書式の解説と具体例です。
 ある地域の幼稚園の特別支援教育担当部署のもの。
 でも文言を変えればどこでも(小学校・中学校・高校)使えそう。
 ホームページに置いてましたが、こっちにも書いておきます。

 まず「解説」です。
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 書式についてはもとのを参考にhtmにしたもので、厳密に同じではありません。
 また私用にしたため、「幼稚園」というところが「学校」に変わっています。

 また幼稚園の相談教室ではこれ以外に、きちんとフォーマルなアセスメントも行われています。(すごい!!んじゃうちらの特別支援学級や特別支援学校は???(注・当時のある地域でも学校に進むと幼稚園から連絡はしているのに取り組みがなされていませんでした。そこが悩みの種だったそうです)

 さて、解説(?)編です。

 まず書式その1でやっていこうとするんだけど、どうもうまくいかないこともある、って話だったかな。で、その2以降が出てくるわけ。もちろん最終的にはその1にフィードバックされるんでしょうね。

 今日報告して下さった方は、幼稚園での取り出し指導をしてはります。基本的に週1回だったのが、需要が増えてきて隔週とか3週に一度とかになってしまうのが悩みだとか。

 取り出しをする時に保護者とも話をするのかな。
 その時に「家でできること」も話し合うわけです。

 そこでその2を話すだけでなく、お渡しもするのだと思う。
 その2の2の「できることみつけじょうず」で、ほめられることを見つけよう、というわけですね。

 その2の3「ほめじょうず」は、お子さんによってはほめられたことがわかりにくいお子さんもいるわけです。ですから、どうしたらほめたことがわかるのか、というところまで一緒に考えはります。

 その2の4「たすけじょうず」は、できないことを無理矢理やらせたりすると次からやらないようになることもあるわけです。そういうことにならないために「追い込まないようにしようね」ということでもあるわけです。

 で、その3の「ねがいさがし」になるわけです。
 「できるようにしたいこと」を5つ書いてもらうわけです。で、それに順番をつけて頂くわけですね。また「なおしたいこと」つまり問題行動への対処の欄もあるわけですが、ここのスペースは小さい。これは「問題行動よりも、こんなことできたらいいなを主として考えていこう」というメッセージと受け取りました。

 そしてその4の「好きなこと探し」です。

 この中でそのお子さんのご褒美になることを探るわけですし、またその「好きなこと」も、年齢相応なことをしよう、周りが受け入れてくれることをしよう、と考えていくわけです。

 で、じゃあ具体的にどうしましょうか、となった時にその5を使うわけです。取り組みと様子は、ご家庭で1月9日は○とか×とかいうふうに書いて頂くわけですね。もちろん、○がつくようにあれこれ考えるわけです。場合によっては「ちょっと声かけが必要だった」とかいう記述もあったりするかな。

 コメンテータの先生からも、このその5をきちんと文章化することが大事ですね、というコメントがありました。そして記録を取る時は「(自己満足の)書くための」記録ではなく次の人に「読んでもらうための記録」を書きましょう、なんて話もありました(笑)

 で、ここまではホームワーク(家でのこと)なわけですが、もちろんそれと合わせて幼稚園で例えば○5の例1で示したような服の課題のお子さんがいれば、「体重をはかりましょう」というような日課の中で衣服の着脱をやってみるわけです。

 というふうに、家庭と園で相談しながら、教育内容を決めていくわけです。

 ところでその3の5つの「できるようにさせたいこと」の文を挟んで教師と保護者が対面し、相談するわけです。でもちろん、具体的に短期的な目標としてどうすりゃいいんだあ、なんてのも出てくるわけです。そしてそれをあれこれすり合わせてその5の作成へと向かうわけですが、この作業はかなりたいへんだとか。

 しかし、それをやるのが教師の仕事なんだろうな、というのが報告者さんの話でした。また、TEACCHって言うと構造化だ、個別課題だとか言われるけど、もちろんそれも大事だけど、それらをやった結果として生活を進めていくものでないと意味ないよね、という話があり、大きくうなづきました。

 またコメントで

IEPってのは
・個別化されていること
・親と協力する(共同で判断していく。そのためには情報共有、情報公開が大切。また客観的な評価が大事)
・目標と課題(これをしぼりこんでいくことがむつかしい。で、あらかじめ決まったことがあるわけではない)
・継続性(学年を越えて、学校を越えて)

が大事ですね、なんて話がありました。

 また「TEACCHって言うと構造化とか言われるけど、このIEP作りの段階がすごく大事なんですよ」という話もありました。

 今日の報告、「この書式だったら私のところでもできる」と思えるのがすごく良かったです。何か、よそで見るのって「すごい(書くのがたいへん)」って思えるのが多いような気がして・・

 何かねえ・・・いつも思うんだけれど、本当に研究会を始めて良かった、続けて来て良かった、つくづく思います。
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個別支援計画(IEP)書式の解説と具体例(大昔のもの)2 書式1 IEP

 すべてA4用紙1枚。
 元には罫線あり。

 書式1 IEP
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個別教育計画のためにその1  
     
個別教育課題(IEP)   名前(         )

領 域      月   日 〜  

身辺自立 家庭    
       
健康     学校    
       
       
家 事     家庭    
手伝い      

認知     家庭    
       
ワーク     学校    
スキル      
       
       
社会性     家庭    
       
スケジュール 学校    
       
       
コミュニ 家庭    
ケーション      
        学校    
言語      
       
余 暇     家庭    
       
あそび     学校    
       
       
情 緒     家庭    
行動管理      
      学校    
その他      
       
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個別支援計画(IEP)書式の解説と具体例(大昔のもの)3 書式2 ホームワーク


 書式2 ホームワーク
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 子育てをじょうずにしたり、ホームワークをじょうずにするためには
 4つのことが、大切です。

1.ねがいをしっかりと

    子どもに、どうなってほしいかの「ねがい」を、しっかりともつ。


2.できることみつけじょうず

    そのねがいで、
    子どもとお母さんが、まずさいしょにできることを、みつける。


3.ほめじょうず

    おもいっきりほめたり
    すきなものやよろこぶことをする。


4.たすけじょうず

    できないときは、じょうずにたすけて、ほめておわる。

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個別支援計画(IEP)書式の解説と具体例(大昔のもの)4 書式3 ねがいさがし


 書式3 ねがいさがし
 途中に大きな空白があり「なおしたいこと、困っていること」の欄が小さい。
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ねがいさがし


名前(            )          年  月  日

  1 できるようにさせたいことを、5つさがしてください。
    できるようにさせたい順に番号をつけて下さい。
 

 

 

 

  2 なおしたいこと、困っていることがあれば書いてください。

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個別支援計画(IEP)書式の解説と具体例(大昔のもの)5 書式4 好きなことさがし


 すべてはここから始まりますね。これは小学校・中学校・高校でも一緒。

 書式4 好きなことさがし
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名前(          )         年  月  日

すきなもの・よろこぶことはなんですか

・食べ物

・飲み物

・あそび

   ひとりで

   お母さんと

   お父さんと

   兄弟で

   ともだちと

   おもちゃや品物

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個別支援計画(IEP)書式の解説と具体例(大昔のもの)6 書式5 にこにこカード

 書式5 にこにこカード
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にこにこカード  

               名前(         )
領域

   
(ねがい)    


(まずはじめにできること)  
     
     

(うれしいこと)  
     
     
(やりかたの工夫)  
     
     
 
取り組みと様子  
 月 日    |    よ   う   す  
        |
        |
        |
        |
        |
        |
        |
        |
        |
        |
        |
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        |

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個別支援計画(IEP)書式の解説と具体例(大昔のもの)7 書式6 にこにこカードの例

 にこにこカードの記入例です。
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にこにこカード
   
                名前( KING STONE  )
領域  身辺自立
   
(ねがい)

服の前後・裏表を知って着る  


(まずはじめにできること)    

後ろ身頃の目印を持って頭からかぶる  
補助をして目印を持たせる    

(うれしいこと)    

この服を着て、大好きな自動車(ミニカー)に乗って戸外遊びをする    

(やりかたの工夫)    

後ろ身頃の下に、フェルトの自動車(ミニカー)の目印を付ける    
 
 
取り組みと様子  
 月 日    よ   う   す    
 2月2日    △手を取って目印を持たせる必要があった  
 2月3日    ○手を取らなくてもできた(声はかけた)  
       
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個別支援計画(IEP)書式の解説と具体例への質問と回答

○○さん、こんにちは。

 > 書式1には,園児一人あたりいくつぐらいの目標が立つんでしょう。3つぐ
 >らい?それとも10ぐらい?一人あたり10個の目標で,担当の園児が10人
 >いたら,書式5は100枚つくることになりますね。ちょっと労力としてキビ
 >シイかなと思いますが,その辺の話はでませんでしたか?
 > うちの高等部でも,担任がつくった個別目標(案)を保護者が点検して意見
 >を述べてもらうとか,年度末に個別目標の評価を文書で保護者に送るとか,な
 >るだけ保護者を巻き込んでやろうとしていますが,書式5のところは担任だけ
 >でやってしまいます(書類もない)。時間的な問題です。一部の主要な課題に
 >ついては,家庭訪問のときに書式5のようなことを会話でしたりはしますけど。

 回答が遅れました。随分前に回答を頂いていたのですが、少し編集したりする都合上、今日になってしまいました。
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1.IEPで、ひとりいくつぐらいの目標が?

 子どもによって違います。幼稚園の欄は、できるだけそれぞれの領域ごとに課題を立てるようにしています。家庭の欄は、お母さんや子どもの実態に合わせて相談して決めていますので、数は違います。


2.書式1の目標に、書式5は何枚?

 ここでは、課題のスモールステップとしてだせますので、一例を書いてみます。

 ・「おはしを使って食べる。」の課題では。 

 1.つり用はさみ(アミエビをはさむプラスチック製の)で、直径1cm前後のねんど玉をはさむ。
   
 2.角砂糖はさみで、ままごと用のフェルト製の果物や野菜類をはさむ。

 3.ピンセットで綿球をはさむ。

 4.つり用はさみ(アミエビをはさむプラスチック製の)の先に、割り箸をの先5cmほど
   をビニールテープでつけた補助ばしで、ねんど玉やフェルトの野菜類をはさむ

 5.毛抜きにお箸をねじでとめた補助ばしで、スポンジ片(台所の食器洗い用のスポンジを
   小さく切った物)をはさむ。

 6.自由樹脂やワイヤーでとめた補助ばしで、スポンジ片やねんどや綿やまつぼっくりやど
   んぐりなどで作ったお弁当をはさむ。

 いよいよこの3学期から、フリーのおはし(普通に使うばらばらのおはし)で、ねんど玉を突き刺すことに入れそうです。
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 うーむ、書式1には幼稚園での項目が6つあり、家庭での項目が7つあります。まさかそれ全部について、ってことではないと思うのですが。でも幼稚園の6つはあるのかな。

 でも、1回(2〜3週間)に書式5を作るのは3枚くらいにしときたいけど・・・
 1週間に1枚くらいね。
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某地域の幼稚園のIEP・個別支援計画を作るためのあれこれ(これはいい!)
       
 kingstoneです。

 新澤先生の講演からの帰り、○○さんとご一緒しました。
 いやはやなんとなく帰りの話し相手が欲しくなって・・
 どうもすいません(笑)

 で途中IEPの話になりました。

 何かいいフォーマットはない?と聞かれたので「そりゃ某地域の幼稚園のでしょう」と答えました。

 1999年の研究会で幼稚園の特別支援教育担当主任さんに発表して頂いたやつ以上に使いやすいものを私は知りません。

 実は特別支援学級に来て、懇談会の時に「好きなものやことは何ですか」と「願いは何ですか」というプリントをお渡しし、それを家庭訪問の時に頂いて保護者と簡単に話し合いました。

 で、すぐに授業に取り入れるものもあったりして、ものすごく助かっています。何がいいって、「個別の指導計画を作るぞ」なんて肩に力を入れなくて、ほとんど意識しないですーーっとできてしまう、ってところがいいです。

 ひょっとしたら某地域ではすでにより進化したものになっているのかもしれませんが。

 えーーっと1999年の資料が出てきましたので、私が作ったものと一緒に送りますね。>○○さん


 それから私がまねして作ったワードファイルも送りましょうか?

ワードで作ったチェックリストなど
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東京都「個別の教育支援計画の活用」パンフレットについて(IEPとは別もの?)

 東京都教委作製「個別の教育支援計画の活用」パンフレット

 「個別の教育支援計画」というのはIEPのことですね・・・と書いたけど、後ろを読むと違うみたい。っていうかほんの一部という感じかな。大方針を書くためだけのものみたい。

画像
個別の教育支援計画パンフ1.jpg

個別の教育支援計画パンフ2.jpg

 1回クリックしても字が読めるところまで大きくなんないですが、出てきた画像をもう一度クリックして頂ければもっと大きくなります。

 ネタもとの

「個別の教育支援計画の活用」都教委のパンフレット

は1回のクリックで大きくなります。
 説明の文はわかりやすくてなかなかいいです。

 最初が通常小学校の2年生の通常クラス担任さんが

「『個別の教育支援計画』を書いてみようということになったけど、担任として何を書いたらいいのか・・・」

とつぶやき、校内の特別支援教育コーディネータの先生が

「コーディネータとして校長から指名を受けたけれど、初めてだからわからない。『個別の教育支援計画』の作成を校内でどう進めていけばよいのか・・・」

とつぶやくところから始まっています。これは現場では当然ある事態です。ここから出発ですね。で、このパンフでは「特別支援学校の特別支援教育コーディネータに相談しましょう」となっています。

 そして通常校の先生方の質問に特別支援学校の先生が答える形の説明。これもまあわかりやすいかな。少し細かい点を見ていってみます。

「わかってるとこと、書けるところから書く」

 そうですね。最初から完璧なものを望むと何もできなくなってしまいます。空欄があるならあるでいいのですよね。空欄になることで「あっ、ここんとこわからへんのやあ」とわかるところでもありますし。

「保護者と一緒に作る」

 これは大事な点です。「完璧なものを作りました。これでどうだ」っちゅうもんでは無いですから。まあなかなか相談する時間を取れなかったりするのは現実問題としてありますが。

「支援の目標は1〜3年後『子どもがこうなっていたらいいな』と思える姿を想像して」

 う〜ん、1〜3年後か・・・私ならもっと短い期間で切りたいなあ。まあ短期計画と長期計画があるだろうけど。短期で1週間から1月。(つまりそれだけハードルが低いことを設定する)長期で1学期間。

 あれ?その後ろに「詳しく書かなくていいのです。細かなことは『個別指導計画』で書いていきましょう。」と書いてある。ってことは「個別の教育支援計画」と「個別支援計画」は別物ということか!?

 このパンフでは「個別の教育支援計画」はおおまかな方針を出すのと関係協力機関などを記入しておくもの、具体的指導は「個別支援計画」で、ってことか。へえ。

 「個別の教育支援計画」は埼玉県が出してる「サポートノート」に近く、「個別支援計画」は「サポートブック」や私の考えているIEPに近いってことかな。(IEPだと両方含まれるだろうけど)

「「学校の支援」の項目は通級の先生や専門家の先生とよく相談して成功体験を積み重ねられるような方針に」

となっています。じゃあ方針としては「成功体験を積み重ねられる」でいいんじゃない、と思えてしまう。で、やっぱり具体的なことは「個別支援計画」に、ってことかな。

「支援機関を書く欄」

については関わりのあるところ、「部活の先生」などもあげていけばいい、空欄があってもいい、というの実際的だと思います。広く浅いサポートですね。(深いカリスマでなく)


 う〜ん、しかし、そっか、大方針を書くためのものなのか。


 で文例です。なるほどA4で1枚のプリントか。それはいいことかもしれない。簡潔に伝わるほうがいいものな。ただ、中に書かれていることが、私には、う〜ん、う〜ん、で・・・

「現在・将来についての希望」
  児童・生徒 みんなと仲良くしたい。

 確かに児童・生徒本人が「みんなと仲良くしたい」と言うことはあるかもしれない・・・いや、誰だって「仲悪くなりたい」とは言わない。しかし「みんな」とねえ。それが「個別の教育支援計画」の大方針・・・いや本人がそう言うことはあるかもしれない・・・う〜ん。

 ここはもし本人がそう言っても、教師のほうが「ちょっと変えたほうがいいんじゃない?」と相談するポイントじゃないかなあ。実のところ文例に出てくるくらいに教師も子どもたちも「そう思いがち」なポイントで、でもそう考えるとしんどくなるポイントじゃないかなあ。

 私の頭には自閉症や高機能自閉症・アスペルガー症候群のお子さんのことが頭に浮かんでいて、その場合はこれはまずいんじゃないかと思う。もちろん「仲良くする」ことは、そりゃできるならたいへん良いことですが。

 でまあ具体的手だてはあれこれ浮かんでくるけど、それは「個別支援計画」の話?


「現在・将来についての希望」
  保護者 協調性が育ってほしい。得意なものを見つけて伸ばしたい。

 後半はまったくもっていいと思います。前半の「協調性が育ってほしい。」って・・・これもまた先に書いた児童・生徒のところと同じで、実のところ文例に出てくるくらいに教師も子どもたちも「そう思いがち」なポイントで、でもそう考えるとしんどくなるポイントでしょう。

 具体的になら、「教師の意図がわかる手だて」「友だちの意図がわかる手だて」「自分の考えていること・思っていることを表現できる手だて」「こりゃだめだと思ったら離れることのできる手だて」なんかを考えればいいけど、それは「個別支援計画」の話になるのかな?じゃあ大方針は何だろう。

「支援の目標」
  自信をもって学習できるようになり、学校生活が楽しくなるように支援する。

 大賛成。文句なし。


「必要と思われる支援」
  学習の手助け。衝動性をコントロールするための支援。

 前半は文句無し。後半は・・・何を言いたいのだろう?って言いたいことはわかるのですが、「学習の手助け」あるいは「学習内容を根本的に考える」とか、そっちの方向から考えたいし・・・やっぱり何を言いたいのだろう・・・「気が散る」ということ?「急に他人に殴りかかる」とか?どっちも「そっちの方から考えるからそうなる」ことなんじゃないかな。もちろん「わかって」「できた」ことを「ほめて」「認めて」いるうちにがまん強くなる、ということはあるのだけど。

「学校の支援」
  ○個別指導計画を作成し、苦手な教科の学習を克服する。
  ○成功体験の蓄積と自分の気持ちの切り替えに配慮する。

 いい手だてがあれば苦手な教科もわかるようになるだろうし、できないもんはできないだろうし・・・「克服」はイメージが違うなあ。
 2行目の後半部分はどういうことを言ってはるのかな?例えば「ちょっとしんどいから落ち着く場所(カームダウンエリア)に行く」というようなことを言ってくれてるのならいいなあと思う。

 あっ、今気づいたのだけど、昔の指導要領もそうだけど、「○○し、□□する」という文章をも文部科学省の人も好きでよく使うみたいなのだけど、二つがまるでつながりのないこと多かったよなあ。「○○する」「□□する」なんじゃないか、って文がよくあった。ここの文例もそうだな。

「家庭の支援」
  ○うまくいってること、できることを見つけほめていく。
  ○いらいらしている時は気分転換の仕方を教える。

 一つ目は、まあそりゃそうか。しかし二つ目は「いらいらしている」なら、何故なのかをまずいろいろ考え試してみないと困るなあ。それで初めて「気分転換の仕方」も考えられるのだし。ってか「気分転換」が必要ということ自体が無くなるかもしれないし。


 いやあ、まあ、これが文例として出てくるのはまずくないかなあ・・・

 大方針(具体案じゃなく)と言うなら

 視覚的・具体的・肯定的 

とか

 「わかる」「できる」「表現できる」「居心地のいい暮らし」

とかでいいんじゃないか?
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特別支援学校が親と合議の上でIEPを作ることに合意した

 kingstoneです。

 ある保護者○○さんが、がお子さんが通っておられる知的障害特別支援学校に「学校と親が相談する形のIEPを取り入れて欲しい」と長年申し入れ続けて来られて実現した、という話です。ここに書かれている、過去の学校の考え方、私も体験したものでよくわかります。それを変えはった、というのはすごいことです。引用の仕方をいつもと変えます。

(引用開始)
  今週の月曜日、小学部の学部懇談会がありました。
「来年度の教育課程について」の説明会です。

 入学時から担任に恵まれて個別の計画を領域別に親も一緒に立てることが出来ていましたが、学部全体としては課題を保護者に公開するということ自体、半数以上の先生が反対されていると聞いていました。

 誰が担任になってもきちんと引き継いでいけるように、私も家庭訪問時に担当の先生に、また年に一度は学部主事や教務の先生などに個に視点を当てた課題設定や計画を立てる時に親の希望を反映させて欲しいこと、 専門家との連携をとって欲しいことを話してきました。

 平成14年からの指導要領改定にあわせて学校全体として自立活動をどう捉えているかについても尋ねてきてそれに対する答えをいただいたという形です。

結果としては、

・自立活動は養護・訓練の名称が変わったということではなく知的障害児にとっては生活全般に渡るものとして捉える⇒生活全般について個別指導計画を作成する

・年度始めに保護者との個別懇談会を設ける。予め教師が作った個別の計画を親も一緒に見ながらそこに親の希望や専門家のアドバイス(親が懇談会までに確認しておく)を盛り込んでいく

・親が学校に求めることを伝えると同時に家でもやっていって欲しいことも教師側から伝える

となりました。

  実際の計画の作成についてはまだまだこれから・・・ですがシステムとして保護者に情報を公開するということと一緒に課題を考えていくことを決めてくれはったのは当然の流れとはいえやはり嬉しかったです。
こう、上手くいかない学校が殆どという事も分かっているので「□□特別支援学校は素晴らしいです」と誉めてしまいました。

中学部についても同様の考えで来年度から臨まれるという事でした。

言い続けて良かったなと思います。
(引用終了)

 すごーーい!!
 やりましたね(ニコ)

 でね、たぶん教師の中にももともと少し前から「こういうふうにしたい」と思っていた人はいるはずだと思います。しかし、それが実現できなかった。それを実現にまでこぎつけられたのは、きっと○○さんのサポート(要望というのが一番大きなサポートになるのです)になったのだと思いますよ。
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知的障害特別支援学校高等部ではIEPを引き継げません、と言われたらしい話

 Twitterにてある方がこんなつぶやきをされました。

「息子の学校では高等部に上がるに際して中学部までのIEPの引き継ぎができないとのこと。全国的な話なのかな。」

 私がこう返しました。

「なんで?めっちゃ不思議?引き継ぎなしに何の授業も生活も成り立たないと思うのだけど。それともIEPを「保護者から学校がさせられること」とか勘違い?」

 それに対して

「制度的にできないようなことを言われたらしいですよ。義務教育じゃないからとかなんとか」

 で、私が返したのが

「んな制度あるわけない。学校独自の勝手な(言い過ぎ失礼)決まり事に過ぎません。」

 伝聞なので確かなことはわからないのですが、頭に浮かぶことがあります。

 ここにはいくつかの問題がからまっているようです。もう少し詳しく書きます。なお、この方はブログでの公開された情報からは、お子さんは千葉県の知的障害特別支援学校に通っておられるようです。

 まずこの学校の小学部・中学部ではIEPという名前のものがある、ということがわかります。

 ただし、これがどういうものかはわかりません。実のところ、私の現役時代、IEPという名前で呼ばれるものは「個別教育計画」「個別の教育計画」「個別の教育指導計画」「個別支援計画」とかいろんな名前がありました。そして文部科学省は「こんなもの」という定義はせず、各教育委員会・各学校に実行するかどうか、どんな形式でするかなどを含め、任せました。(注・私はそれ自身は良いことだったと思っています。現場の人間が頭を絞って考えればいいことですから。当時も現場で「そんなこと(現場で考えろ)どないしたらええかわからへんやないかあ」と文句を言う人が居ましたが、あほかいな、です)ですからIEPがどんなものであるかは、教育委員会、学校、教師、保護者、専門家を含めイメージがばらばらである可能性があります。

 私のイメージとしては

・(あれば)診断名
・その人の様々な特徴(特性)
・何を教育活動で目指すのか(大方針)
・そのためにはどんな教育活動(授業)が必要か
・細かいやり方も(どうやれば参加できるのか)

について、保護者・教師・(できれば)専門家の協議の上で確認し、作っていくものです。専門家との協議が難しければ、専門家にあらかじめ作っておいて頂いた意見書などを添付し、参考にするだけでもいいでしょう。埼玉県でのサポート手帳のような感じで。

 指導に関する記録と言えば昔から通知票・指導要録があるわけですが、これは実のところ翌年の担当教師が指導の参考にできるようなものではありませんでした。参考になるようなことを書くには欄があまりにも狭いですから。(その割に教師はある意味、全精力を傾けて書くのですが。労多くして益の少ないものでした)

 もちろん、それでも必要に感じる教師は(私もその一人)は前年度までの通知票(本物は本人に渡しているがコピーはあるはず)や指導要録を読み、また文の裏を読み、参考にするわけですが、私の周囲を見回してもそんなことをする教師はほとんどいなかったです。

 IEPについては私も過去にたくさんのエントリを書いています。ブログ内を検索して頂ければいっぱい出てきます。

 あと、これはIEPでは無いですが、「高等部入学前検診」の日にどんなことをやるべきか、で私が提案したことをこちらに引用しておきます。

引用開始
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LDT−Rについて」からの一部引用

私は知的障害特別支援学校高等部の入学の公式発達検査にLDT−Rを入れました。
 (後年どうなったかは知りませんが)その時の意見書です。

先生方へ
                発達検査について
                               kingstone

 入学生についての発達検査についてどんなことをすればいいのか、相談を受けました。私の考えを書きますので、またみなさんからご意見が頂ければありがたいです。

 学校で行う発達検査は、その後の教育活動において、こちらがどのような手だてを取ればより充実した活動ができるか、そして子どもたちが「安心」して「自信」を持って「自由」に活動できるか、これらについて必要な知識を得ることができことを目的とする。

 そこで

 音声言語を頭の中でどれだけ道具として使えるか。(LDT-R)

 目と手の協応動作や手の巧緻性がどれだけあるか。
    ・持つ ・つまむ ・はさむ ・入れる ・差す
 上記のことを入れながら下記のことを検査する
    1対1対応ができるか?
    色のマッチングができるか。
    色を音声で認識できるか。
    形のマッチングができるか。
    形を音声で認識できるか。
    文字のマッチングができるか。
    文字を音声で認識できるか。
    絵や写真と単語のマッチングができるか。
    絵や写真と音声とを一致させられるか(LDTにも一部あり)
    数字の順序がわかるか。
    数字を音声で認識できるか。
    数字と量のマッチングができるか。
 
 ぐらいがわかればいいのではないか。
 また、ではどんな教材(検査器具)を用意すれば良いか、も相談に乗って下さい。

参考

LDT−R(太田のステージのテスト。めちゃ簡単)を高等部入学検査に入れた
−−−−−−−−−−−−−−−
(引用終了)

 この公式検査の日に、身体健康診断・精神科診断(?要するに校医さんに合う)・感覚遊具(トランポリン・ボールプール・ゆれ木馬などで遊ぶ・・・好きなものを探すため)・課題学習(上で書いた項目がわかるようにわかるように組み立てました)などをします。

 地元中学から「有用な」情報が上がってくることはまず無かったです。

 このように「具体的に何ができるか」がわからないと、授業や生活を組み立ててはいけないはずなのですね。

 引き継ぎについては、やはり私のブログ内で「引き継ぎ」で検索して頂けば、昔の特別支援学校や特別支援学級の引き継ぎの当時の現状が出てきます。はっきり言って「無かった」です。私は非公式に時間を取って何とかしていましたが。

 なお特別支援学校小学部から中学部への引き継ぎの時間というのは私の勤務していた特別支援学校ではありました。しかし2時間ほどで全員の引き継ぎを全職員が集まってやるのですから、まともな引き継ぎにはなりませんでした。

 引き継ぎで、上に書いたような項目がわからないと困るわけです。しかし、情報を出す側が「何が大切か」がわかっていないと、もちろん引き継ぎができるわけがありません。例えば私が通常校の特別支援学級に異動した時の例で言うと

トイレで床におしっこをまきちらしていた子への対応

では、そもそもおしっこをまきちらす、ということが報告されていなかった。

通常校でまずやめさせたこと

では、「(教室や必要な所への)移動はできる」という話でしたが、実情は「友だちがごぼう抜きにして無理矢理押したり引っ張ったりして連れて行く」というこでした。また一人のお子さんは体重が重くなってそれもできなくなってきていました。

叩かれていた子の例1

では「勉強が嫌い」という引き継ぎ内容でしたが、要するに担任教師が「その子に楽しい授業を組む」力が無かっただけであることは1日でわかりました。


給食、ある時


では、「私の指導で牛乳が飲めるようになった」というのは要するに威嚇し、怒鳴り上げて飲ませていたのでした。(口につけて無理矢理押し込んだ可能性もありますが、そこは確認できません)

 つまり、情報を出す側の教師にどんな情報を出したら役に立つのかがわかっていなければ有効な情報が出てきません。(こちらが聞いても、そこに注目していないからよう答えない)

 逆に言うと、情報を受け取る側が「何が大切か」がわかっていないと、聞きようが無い、ということもできる。

 で、IEPというのは、本来、そういう不都合を無くそうというものです。



 先ほど文部科学省の学習指導要領を調べてみたのですが、なんと高等学校には特別支援教育という項目が無い!!そうだったのか。

 だから高等部の教師が「IEPは制度として無い」という言い方をしたのかもしれません。文部科学省が規定しているわけでは無い。

 しかし、同じ学校内の小学部・中学部で作られていて・・・

 また特別支援学校高等部の場合、特別支援学校中学部の学習指導要領を参考にする、という話では無かったかな?

平成21年度「高等学校における発達障害支援モデル事業」研究概要(PDFファイル)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/06/__icsFiles/afieldfile/2009/06/08/1268884_2.pdf

の中では11校で「個別の支援教育計画」(名前はいろいろですが、同じようなことを考えていると思われる)を作ることが書かれています。中には千葉県立船橋法典高等学校もあります。

 通常の高校でこうなのです。特別支援学校高等部においておや。

 おっと、あった、あった。

特別支援学校高等部学習指導要領

の中の

特別支援学校高等部学習指導要領 第1章 総則

第2節 教育課程の編成

第4款 教育課程の編成・実施に当たって配慮すべき事項

5 教育課程の実施等に当たって配慮すべき事項

(16) 家庭及び地域や医療,福祉,保健,労働等の業務を行う関係機関との連携を図り,長期的な視点で生徒への教育的支援を行うために,個別の教育支援計画を作成すること。

とちゃんと書いてあるじゃないですか。これで「IEPは作らない」という話ではないことは明らかになりました。もしそう言ったらその教師、そしてその学校の不勉強です。



 しかし、本来、高等部の方でも「こちらから中学部に頭を下げてでも引き継ぎをお願いしたい」と考えて当たり前だと思いますが、「いえしません」と言うなら、ひょっとして「めんどくさいだけで、役に立つ情報が出て来ないじゃないかあ」と考えている可能性があります。

 ここでもとの発言をされた方のお子さんのIEPの文言を少し見てみます。引用しようかと思ったけど、やめておこう・・・

 実のところ、文言を読むと、「どんな特性があるのか」「具体的に何ができるのか」「それを組み合わせてどんな活動ができるのか」があまり書かれていません。

 イメージとしては昔からの通常校通常学級通知票の所見欄をたくさんに増やした、そんな感じでしょうか。「ちょっといい」「ちょっと困る」と教師が判断したエピソードの羅列ですね。その時とられた具体的方法はあまり出てきません。(と言うか、音声言語でやってる)

 たぶん音声言語は少々わかりづらいところのあるお子さんであるはずなのに、音声言語で「わかった」「できた」「納得した」という記述が多くあります。つまり教師の価値観がそこにあるわけです。しかしおそらくはそれでうまくいかない面が多々あるのじゃないかなあ・・・

 これは・・・たぶん、情報を受け取る側(高等部側)が「役に立たない」と判断する可能性はあるなあ、と思います。でその結果「引き継ぎはしない」ということになっている可能性もあります。


 制度・仕組みに魂を入れるのは人なのですが・・・


 まとめると

1.その書式にどういう名前を与えるのか(IEP?個別支援計画?個別の教育支援計画?etc.)
2.そういう書式を作っているのか
3.引き継ぎに意義を認めているのか(有用な情報を書く力があるか。有用な情報を聞く力があるか)

の3つくらいの問題かな。


 まあ、上では「指導要領にこう書いてあるやないかあ、やらんかい」みたいな書き方になっていますが、本当のところは、私は「文部科学省が言うからやる」というスタンスは嫌いで、現場から文部科学省に対して「俺らはこれが必要やからやってるんや!四の五の言うな!」という立場でありたいとは思っていましたが。
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IEP(個別支援計画)はみんなを楽にするためにあるんだけどなあ

 IEPとか個別支援計画とか個別の教育計画とか呼ばれる書類について「知的障害特別支援学校高等部ではIEPを引き継げません、と言われたらしい話」を書きましたけど、あの書類って「みんなを楽にするため」にあるんだけどなあ。

 本人が楽、保護者が楽、教師が楽。

 教師が書くサポートブックみたいなもんだと思います。

 いえ、「そんなの理想論だ!現状は違うぞ!」っていうご意見は四方八方から飛んでくることと思います。あるいは「あれは契約書なんだ(日本では強制力のある法はありませんけど)。そんな人を楽にするとか考えてないんだ」というご意見もその通り。

 でも、ちょっとした考え方、知識があれば「みんな楽」なものにできると思いますが。

教師の不満「書類を書く手間、関係者に連絡を取る時間、膨大にかかる。保護者は物理的資源・人手のことなんて考えずにわがままばかり言って来るし」

保護者の不満「うちの子は伸びる子なのに学校が○○をやってくれない」

専門家の不満「教師がやってくれない。教師が下手くそ(私も言われたことあり)」


 どれも、ちょっとした知識と理解で避けられることのような気がします。また「本人が楽」を一番に考えれば膨大な量の書類になるはずが無い・・・

 私が考えるIEPのモデルは上に書いたおとりです。

 で、先日の「知的障害特別支援学校高等部ではIEPを引き継げません、と言われたらしい話」のコメント欄に、私はこう書きました。

「ってね、そこは教師の見識になると思うのですよ。「この人的資源、この物理的環境ではここまでしかできません」あるいは「卒業後の生活のためにもそれは無意味です」とか言えることが。プロであり専門家であるのだから。

ネットで私の言説を読むだけの方は、私が何でも保護者の言うことを受け入れたように誤解されるかもしれませんが、私は保護者に当時の学校の枠を越えた提案も数多くしましたが、

「それはやめといた方がいいです」
「それは私にはできません」

と主張し、やめてもらったことは数々あります。」

 私の経験した具体例を一つあげれば

保護者から「叩いても○○することを教えて下さい」

私「私はそれはできません」

 そらそうや、そんな極端なこととちゃう、と言われるかもしれませんが、極端であろうとなかろうと、できないもんはできないし、また本人さんの将来(卒業後)を考えればやらないほうがいい活動、指導は山ほどあります。

 また、私が最初に勤務した知的障害特別支援学校は保護者から頼まれたわけではなく、「叩く」を含めた「威嚇と暴力」を実際に指導の手段として使っていたのだから、今だったら堂々とIEPに書いておくべきことです。もちろんそうなりゃ私は反対しますが。

 でも、ルーチンで、過去の見本通り、膨大な書類を作らないといけない、と考えたら、とてつもなく馬鹿馬鹿しく、無意味で、しんどい作業になるでしょうね。


 ほんま、ちょっと考え方を知り、勉強すれば、みんなが楽になれることだと思うのですが。


posted by kingstone at 12:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 障害支援・社会参加 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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